山登りが好きである。
勿論、山を愛する者として山マナーの順守にも怠りはない。
さて先日、登頂を終えて下山する際のこと。
下山中は登って来る人と何度もすれ違うことになる。
道の狭いところでは登りの人を優先するのが基本ルールである。私は山を愛する者であるからして、山マナーの順守に怠りはない。
内心面倒臭さを抱きつつも当然を装って道を開け、「こんにちは、お先にどうぞ」と作り笑いを浮かべて道を譲る。
何度もそれを繰り返しているうちに、「お先にどうぞ(ちくっ!)」。痛たたた、左ふくらはぎに違和感を感じた。
左足を見るとよけた先の草むらはイバラであった。私としたことが足元の確認を怠っていたようだ。
コースに戻ってズボンを見ると、糸ほつれが生じていた。イバラのトゲに引っ掛けてしまったらしい。
どうやら偽善のバチが当たったようである。足の痛みよりパンツのほつれの方が痛いのである。
このとき履いていたパンツは、ノースフェイス(THE NORTH FACE)のアルパインライトパンツ。私の装備の中では、ザック、トレッキングシューズの次に高価なアイテムであって、なけなしのお小遣いをはたいて買ったので大変な痛手である。
なお、このノースフェイスのアルパインライトパンツは、ストレッチ素材とひざ周りの立体裁断とが相まって、履き心地の良い優れた一品である。そして見栄えの良いシルエットを作ってくれる。
難点はストレッチ素材の性として今回のように引っ掻きによるほつれが出やすい。よって藪漕ぎや、ざらざらした場所に座ったりは控えた方が良いであろう。
気をつけて使っていたのだがこういった不慮の事態でほつれが生じることもあるのだ。
1. 周りから生地を引っ張ってみる
飛び出した糸をなんとか戻せないかと、ほつれの周りの生地を引っ張ると少し引っ込んだ。
さらにほつれ周りを輪ゴムで絞り、ネットに入れて洗濯をしたところ、運良く気にならない程度に引っ込んでくれた。まずは、一安心である。
一安心ではあるが、ほつれ糸があると見た目にも、精神衛生的にもよろしくない。
直す方法をしらべたところ、「ほつれ補修針」というものがあるらしい。それを試してみることにする。
なお、ほつれ糸を切ってしまう事は絶対にやらない方が良い。切った場所からどんどん解けてしまい、逆効果となるそうである。
2. ほつれ補修針を使う
ほつれ補修針は、多種発売されているようだが、価格帯が真ん中で、収納ケースが付属していることが気に入って「ほつれのん」を購入してみた。
https://www.misuyabari.co.jp/view/item/000000000148?category_page_id=ct5
さて、補修のやり方は、
①ほつれの根元に針を刺す。
②そのまま針を刺し通す。
③以上。
これだけである。
その通りにやってみた結果が以下の写真である。ほつれの左右の引き攣れた跡はそのまま残るもののほとんど分からないレベルにまで補修されたのである。
もはや魔法である。
なお、ほつれは裏側に移動する。
というわけで、お気に入りのアルパインライトパンツを今後はこれまでほどは気を使わずに使えそうである。
ほつれ補修針。良いものに出会った。